個人事業主やフリーランスの所得税の申告方法には、青色申告と白色申告があります。
不動産所得や事業所得で稼いでいる人は、青色申告を活用すれば、最大で65万円の青色申告特別控除を受けることができます。
しかし、青色申告特別控除65万円を適用するには、複式簿記による帳簿付けや、e-Taxによる申告が必要になります。
会計ソフトを用いなくとも、エクセル（Excel）で対応することはできるのでしょうか。
当記事では、個人事業主・フリーランスの青色申告はエクセルでもできるのかどうかについてわかりやすく解説します。
個人事業主・フリーランスの青色申告はエクセルでも可能？
ここでは、個人事業主やフリーランスなどの自営業の人の場合、青色申告はエクセルでも対応できるのかどうかについて詳しく紹介します。
白色申告と青色申告とは？
個人事業主・フリーランスの所得税の申告方法には、白色申告と青色申告があります。
白色申告は誰でも申告できる制度ですが、特別控除は受けられません。
一方、青色申告は「不動産所得」「事業所得」「山林所得」に該当する所得を得ている人であれば活用することができます。
ただし、青色申告承認申請手続を事前に提出している必要があるので注意が必要です。（※1）
また、青色申告でも、帳簿付けの方法や提出する書類などによって、控除額10万円、55万円、65万円と変わります。（※2）
青色申告特別控除65万円を受けるには、原則として複式簿記（正規の簿記の原則）により帳簿付けを行い、e-Taxにより申告書類を確定申告の期限までに提出する必要があります。
エクセルでも青色申告はできる！
青色申告特別控除65万円を適用するためには、複式簿記に対応しなければならないため、会計ソフトを使用する必要があると考えている人も少なくないでしょう。
しかし、会計ソフトを導入する場合、数万円程度の導入費用がかかります。
また、操作方法を覚えるという手間もかかります。
エクセル（Excel）での帳簿付けでも、青色申告により控除額65万円を得ることはできます。
「エクセル簿記/ExcelB」というテンプレートを使用するのがおすすめです。
エクセルにこのテンプレートをダウンロードして挿入するだけで導入は完了します。
後は操作方法を覚えて、収入や費用などを随時記載していけば、青色申告書類を作成することが可能です。
個人事業主・フリーランスが青色申告をエクセルで行うメリット
ここでは、個人事業主・フリーランスが青色申告をエクセル（Excel）で行うメリットについて詳しく紹介します。
無料で導入できる
無料のテンプレートを活用すれば、費用をかけずに青色申告を行うことができます。
テンプレートには、プログラムが含まれているので、会計ソフトのような経理処理が可能です。
また、テンプレートはインターネットで検索すれば、多くの種類があります。
自分のニーズにあうテンプレートを導入すれば、経理処理を効率化することが可能です。
エクセルは使い慣れている
会計ソフトを導入する場合、使い慣れていないため、最初は操作を覚えるのに時間がかかります。
一方、エクセル（Excel）であれば、学生時代や会社員時代に操作経験のある人が多いでしょう。
そのため、直感的な操作で経理処理を行うことができます。
個人事業主・フリーランスが青色申告をエクセルで行う際の注意点
ここでは、個人事業主・フリーランスが青色申告をエクセルで行う際の注意点について詳しく紹介します。
簿記の知識が必要
エクセル（Excel）で青色申告を行う場合、売掛金・買掛金や貸倒引当金といった簿記用語が出てきます。
そのため、最低でも簿記3級程度の知識がないと、複式簿記に対応するのは難しいかもしれません。
しかし、簿記の知識が必要なのは、会計ソフトを使用する場合でも変わりません。
エクセル（Excel）での青色申告が難しいと感じる場合は、簿記の知識を身に着けることが大切です。
複雑な処理に対応するのが難しい
一人で事業を行っている場合や、オーソドックスな事業を行っている場合であれば、エクセル（Excel）でも十分に青色申告に対応することができるでしょう。
しかし、複数人で事業を行っている場合や、イレギュラー対応の多い事業を行っている場合、エクセルで対応するのが難しいケースもあります。
このような場合は、会計ソフトや税理士を活用するのがおすすめです。
まずは個人事業主・フリーランスも青色申告に挑戦してみよう！
個人事業主・フリーランスの青色申告はエクセル（Excel）で対応することができます。
まずはテンプレートを検索して、実際に操作してみましょう。
青色申告にチャレンジした経験は、今後の事業を進めていくうえで役立ちます。
もしも青色申告に対応できないと感じたら、白色申告で対応しても問題ありません。
また、簿記を勉強してみるよいきっかけとなるかもしれません。
まずは個人事業主・フリーランスも青色申告に挑戦してみましょう。
コメント