実家暮らしの個人事業主・副業は家賃・光熱費を必要経費にできる?

実家暮らしの個人事業主・副業は家賃・光熱費を必要経費にできる? DIARY

個人事業主や副業を行っている人のなかには、実家暮らしの人も少なくないでしょう。

一人暮らしをしていれば、家賃や光熱費を按分計算により、必要経費に組み込むことができます。

それでは、実家暮らしの場合も同じように必要経費にできるのでしょうか。

当記事では、実家暮らしの個人事業主やフリーランス、副業の人は、家賃・光熱費を経費にできるのかどうかについてわかりやすく解説します。

経費の考え方について理解を深めたい人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

実家暮らしの家賃・光熱費は必要経費にできるのか?

実家暮らしの家賃・光熱費は必要経費にできるのか?

ここでは、個人事業主やフリーランス、副業で働いている人は、家賃・光熱費を必要経費にできるのかどうかについて詳しく紹介します。

実家暮らしの場合、生計を一にしているかどうかで、経費にできるかどうかが決まります。

国税庁によると、生計を一にする親族に対する家賃や光熱費の支払いは必要経費になりません。

(2)必要経費になるものとならないものの例
イ 生計を一にする配偶者その他の親族に支払う地代家賃などは必要経費になりません。逆に、受け取った人も所得としては考えません。
これは、土地や家屋に限らずその他の資産を借りた場合も同様です。ただし、例えば子が生計を一にする父から業務のために借りた土地・建物に課される固定資産税等の費用は、子が営む業務の必要経費になります。

No.2210 やさしい必要経費の知識|国税庁

なお「生計を一にする」とは、国税庁のサイトにおいて意味が定義されています。

「生計を一にしている」とは、必ずしも同一の家屋に起居していることをその要件とするものではなく、次のような場合には、それぞれ次によることとなる。
(1) 勤務、修学、療養等の都合上他の親族と日常の起居を共にしていない親族がいる場合であっても、次に掲げる場合に該当するときは、これらの親族は生計を一にするものとされる。
イ 当該他の親族と日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には当該他の親族のもとで起居を共にすることを常例としている場合
ロ これらの親族間において、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合
(2) 親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、これらの親族は生計を一にするものとされる。

「『租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて』等の一部改正について(法令解釈通達)」の趣旨説明(情報)|国税庁

このように、実家暮らしでは、明らかに独立した生活を送っていることを証明できる場合に限り、「生計を一にしていない」ことになります。

また、同じ家に住んでいなくても、「生計を一にしている」と判断されるケースもあるため注意が必要です。

実家暮らしで家賃・光熱費を経費にできるケース

実家暮らしで家賃・光熱費を経費にできるケース

個人事業主やフリーランス、副業で事業を行っている人の場合、生計を一にしていなければ、実家暮らしでも家賃や光熱費を必要経費にできる可能性があります。

たとえば、A(Bの子)が生計を一にしていないB(Aの親)に家賃や光熱費などのために毎月15万円支払っているとします。

この場合、15万円のうち、事業と家事で合理的に区分した分が必要経費になります。

そのため、実家のうちどれだけ作業スペースが占めるのか、事業を始めたことでどのくらい光熱費が上がったのかを明確にすることが大切です。

実家暮らしの家賃・光熱費を経費にする際の注意点

実家暮らしの家賃・光熱費を経費にする際の注意点

ここでは、個人事業主やフリーランス、副業の事業者が家賃・光熱費を経費にする際の注意点について詳しく紹介します。

証明書類をきちんと管理する

実家暮らしの家賃・光熱費を必要経費にする場合、支払った証拠を残す必要があります。

親の口座に振り込みを行えば、記録がきちんと残るので客観的に金銭の支払いの証明をすることができます。

また、何のための費用なのかを明確にするために、家族間だとしても正式な領収書を作成・保存することが大切です。

子だけでなく親も経理処理が必要

子が親に家賃や光熱費を支払い必要経費にする場合、親からみると収入になります。

そのため、子が費用計上を行ったのであれば、親は売上計上を行う必要があります。

この場合、「不動産所得」に該当します。(※1)

不動産所得では、固定資産税や減価償却費、修繕費などを必要経費にできるので、きちんと申告すれば、減税につなげることが可能です。

不動産所得がある場合、所得合計金額が20万円以下のケースなどを除き、原則として確定申告を行う必要があります。

(※1)No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)|国税庁

実家暮らしでも家賃や光熱費を経費にできる可能性がある!

実家暮らしでも家賃や光熱費を経費にできる可能性がある!

個人事業主やフリーランス、副業などで事業を行っている人で、実家暮らしの場合、家賃・光熱費などは経費にできないと諦めている人も多いかもしれません。

しかし、「生計を一にしていない」という条件を満たせば、実家暮らしでも親族に送った金銭などを必要経費として申告できる可能性があります。

ただし、自分が経費として申告したのであれば、相手方は収入として申告を行う必要があるので注意しましょう。

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