「SES」という用語はどういう意味でしょうか。さらに、「SIer」や「派遣」との違いについて明確に説明できる人は少ないでしょう!
当記事はSESの詳細やメリット・デメリットについて詳しく解説します。また、SIerや派遣との違いについても説明します!
この記事を読むことで、SESについて正しく理解することができ、エンジニアへ就職や転職を考えている人に役立つでしょう!
そもそもSESとは?
SESってどういう意味?
SESとは、IT業界における契約形態のことです!
ここからは、SESの詳細について、派遣やSIerとの違いについて解説します!
1.SESとは
2.SES企業が必要な理由
3.SESと派遣の違い
4.SESとSIerの違い
SESとは
SESとはIT業界における契約形態を指し、「System Engineering Service」の略称です!
システムエンジニアリングサービスとは、エンジニアが不足している企業に対して、労働力の提供をしているサービスです。
したがって、SESはエンジニアが不足している顧客先に対して、エンジニアのスキルや労働力を時間単位で提供する契約形態といえます!
たとえば、SIer企業などでエンジニアのスキルや労働力が不足している場合、SESのエンジニアを雇うことで、必要としているエンジニアの技術力や労働力を補うことができます。
SESは「準委任契約」と日本語で訳すことができます。多くのSESのエンジニアは「客先常駐」という業務形態となることが多いです。
準委任契約であるため、SESのエンジニアに関する労務管理をおこなう権限は、所属しているSES企業にあります!
したがって、SESのエンジニアを雇い入れている顧客先は、出退勤管理の権限や、業務指揮をおこなう命令権などはありません!
SES企業が必要な理由
なぜエンジニアの労働力を借りる必要があるんだろう…
自社にエンジニアを雇えば解決しないのかな?
以上のような疑問を抱く方も少なくないでしょう!
理由は、正社員のエンジニアを雇用すると、解雇することが簡単ではないためです!
たとえば、システム開発プロジェクトに対して正社員の募集をかけるとします。プロジェクトが終わった後も、正社員であるエンジニアを雇い続ける必要があるため、人件費としてかかるコストは多くなります。
一方、SES企業から労働力を借りる場合、一定の期間でエンジニアを雇用することができるため、一時的に人員の確保が必要であるシステム開発のプロジェクトなどでは最適といえます!
したがって、システム開発会社にとって利便性が高いことからSES企業は必要があるといえるでしょう!
SESと派遣の違い
SESはエンジニアを顧客先へ常駐させることが多いため、派遣社員と同様だと感じる方も少なくないでしょう。SESと派遣の違いは、指揮命令権です!
SES企業には、業務に関する指示を出す指揮命令権があります。そのため、顧客先は業務や勤怠に関する指示を出すことは基本的にできません!
一方、派遣の場合、指揮命令権は顧客側にあります。業務に関する指示はすべて顧客がおこないます。派遣元企業は人材提供をしているのみといえます!
SIerとSESの違い
SIerはクライアントからプロジェクトを受注し、業務をおこなう「企業」のことを指します。一方、SESは業務上の「契約形態」のことをいいます!
SIerとSESの違いについては下記を参照してください!
SES企業で働くメリットとデメリット
SES企業で働くメリットとデメリットを知りたい!
これまでに、SESの詳細や、派遣やSIerの違いについて解説しました。ここからは、SES企業で働くメリットとデメリットを紹介します!
SES企業で働く4つのメリット
ここではSES企業で働くメリットを4つ紹介します。
ここからは、SESの詳細について、派遣やSIerとの違いについて説明しましょう!
1.IT業界未経験者でも正社員になることができる
2.エンジニアとして専門知識や幅広いスキルが身に付けられる
3.多くの人脈を作ることができる
4.残業時間が少ない
メリット1:IT業界未経験者でも正社員になることができる
SES企業では、IT業界未経験者や初心者でも正社員として応募できる求人の数が豊富です!
近年、「AI」「ビッグデータ」「IOT」「クラウド」などのIT技術は急激に発展している一方で、IT業界の人手不足は深刻化しています。そのため、ITエンジニアの需要は高いです!
しかし、IT企業に入社しエンジニアとしてキャリアを築いていくためには、専門知識やスキルが要求されるます。日々勉強やスキルを磨いていく必要はあります!
したがって、IT業界に携わったことがない方でエンジニアを目指したい人にSES企業はおすすめです!
メリット2:エンジニアとして専門知識や幅広いスキルが身に付けられる
SESに所属しているエンジニアは、幅広く専門知識やスキルを身に付けることができます!
理由は、プロジェクトが変わるごとに現場を転々とする場合がSESのエンジニアには多いためです!
また、スキルがあるSESのエンジニアの場合、プロジェクトによっては上流工程と呼ばれる要件定義や設計工程を任せられることもあります!
SESの社員の方はSIerの社員と比較すると、技術に関して詳しい方が多いです。私も新入社員のとき、SESの企業の方にLinuxの操作方法やエクセルでマクロを組む方法を教えてもらいました!
メリット3:多くの人脈を作ることができる
SESのエンジニアは多数の人脈を作ることができる点も特徴です!
SESのエンジニアは、SIer企業や他のSES企業の方と接する機会が多いです。また、プロジェクトが変わるごとに関わる人も変化します!
顧客からスキルの高さを証明できれば、希望の業務や転職の相談などに対応してもらえることもあるでしょう!
メリット4:残業時間が少ない
SESのエンジニアは残業が少ない傾向にあります!
理由は、顧客の企業とSES企業の間で労働時間についても事前に定めた契約を結んでいる場合が多いためです!
SEは納期があることやトラブルが多いという観点から「残業が多い」というイメージを抱く方は少なくないでしょう!
したがって、顧客先は契約で定めた以上の労働時間をSESのエンジニアに強いることは基本的にできません!
SES企業が顧客先に提供しているのは労働力で、成果物に責任を負う必要はありません!
私はSIer企業で働いており、SESのエンジニアの方とも一緒に仕事をします。私の企業で働いているSESのエンジニアの方は残業20時間以上はできないような契約をしています。ちなみに私の残業時間は40時間~60時間ぐらいです。
SES企業で働く4つのデメリット
SES企業で働く場合、メリットだけではありません。ここではSES企業で働くデメリットを4つ紹介します!
1.年収が低い
2.自社への帰属意識が薄い
3.やりがいが感じづらい
4.現場によって環境が変化する
デメリット1:年収が低い
SESとSIerのエンジニアの年収を比較すると、SESのエンジニアの方が年収が低い傾向にあります!
理由は、SESのエンジニアはSIerの下請けとしてプロジェクトに参加する場合が多いためです!
しかし、スキルを磨くことで転職やフリーランスを目指こともできます。したがって高収入を得ることももちろん可能です!
デメリット2:自社への帰属意識が薄い
SESのエンジニアは自社への帰属意識が薄い場合があります!
理由は、SESのエンジニアは「客先常駐」で業務をおこなう場合が多いため、同じSES企業のなかでも顔を合わせたことが一度もない社員がいる場合も少なくありません。
また、プロジェクトごとにメンバーが変わる場合も多いので、自社への帰属意識が薄いという特徴があります。
SIer企業の場合でも客先常駐することもあります。私の場合本社勤務のため、自社への帰属意識が薄いという状況になることはありません!
デメリット3:やりがいが感じづらい
SESのエンジニアの場合は雇用期間が決まっている場合も多く、システムの完成した姿が見られないまま契約が終わってしまうことも少なくありません!
そのため、自分が担当しているプロジェクトの目的を把握できないことも多く、やりがいが感じにくい特徴もあります!
基本的に大規模プロジェクトを大手SIer企業が受注します。大手SIer企業から中堅企業に仕事を割り振ります。さらに中堅企業は仕事を零細企業に割り振ります。この仕組みをITゼネコンといいます!
ITゼネコンに関しては下記の記事を参照ください!
デメリット4:プロジェクトによって環境が変化する
SESのエンジニアは客先常駐での勤務が多いです。また、契約期間が終了すると現場が変わります!
たとえば、今の現場が気に入ったとしても、契約が終了すると次の現場でゼロから人間関係を構築する必要があります。
したがって、労働環境が変化することは、人によっては大きな負担となる場合も少なくないでしょう!
これはSESの企業に限った話ではありません!
SIer企業や、派遣社員の場合もプロジェクトが変わると環境は変化します。
ITエンジニアとして働く場合は環境への適応力は重要といえます!
SES企業に関する正確な理解が重要!
これまでに、SESの詳細や、SESで働くメリットやデメリットについて詳しく解説しました。
SESとは、エンジニアのスキルや労働力を時間単位で紹介する契約形態を指します!
IT業界未経験者でも正社員として採用されやすいことから、SES企業で働くことをエンジニアとしての最初のキャリアとして選ぶのはおすすめです!
一方、「年収が低い」「帰属意識が薄い」「やりがいが感じづらい」というデメリットもあります。
したがって、SES企業について正確に理解することが重要といえます。優良SES企業に勤めることができれば、スキルアップや高収入も期待できるでしょう!
SES企業で働くことに興味をもった方は下記の記事を参照ください!
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