近年では、IT業界においてフルスタックエンジニアと呼ばれる職種が注目されています。
しかし、フルスタックエンジニアがどのような業務を行う職種であるのかは、あまり知られていません。
当記事では、フルスタックエンジニアという職種の仕事内容・必要なスキル・需要・将来性についてわかりやすく解説します。
市場価値の高いエンジニアを目指している方や、フルスタックエンジニアの内容を知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
フルスタックエンジニアは市場価値が非常に高いですが、場合によっては「器用貧乏」になる可能性もあるため、注意が必要です。
器用貧乏と呼ばれるフルスタックエンジニアとは?
フルスタックエンジニアはどのような職種・仕事?
ここでは、フルスタックエンジニアの仕事内容や、フルスタックエンジニアが誕生した背景について詳しく紹介します。
フルスタックエンジニアの仕事内容
フルスタックエンジニアとは、マルチエンジニアと呼ばれることもあり、主にアプリ開発とインフラ構築の両方を担うエンジニアのことです。ただし、フルスタックエンジニアの定義は曖昧であり、二つ以上の専門技術を習得しているエンジニアを指すこともあります。
フルスタックエンジニアは、端的に言えば「ITエンジニアのなんでも屋」といえます。
ITエンジニアは、アプリケーションエンジニアやインフラエンジニア、データベースエンジニア、セキュリティエンジニアといった、一つの専門スキルを基盤として業務を行うことが多いです。
ITエンジニアは、一つの専門スキルを極めることも大変ですが、フルスタックエンジニアは、複数の専門技術を習得して、幅広い業務を行うエンジニアのことを指します。
フルスタックエンジニアが誕生した背景
「フルスタックエンジニア」という用語は、元は海外で使用され、近年になり日本でも普及し始めています。
フルスタックエンジニアが必要とされるのは、主に新しい事業やサービスを開始する段階が多いです。
近年では、クラウド技術の急激な普及により、自社でインフラ設備を用意する必要がなくなりつつあります。なお、クラウドとは、インターネットを活用してアプリケーションやデータベースなどのリソースを提供するサービスのことです。例えば「AWS」「Azure」「GCP」といったクラウドサービスがあります。
そして、プログラミング環境もクラウド技術で用意できるため、一人でも高度な開発作業を行うことが可能となりつつあります。
このように、これまでは分担しなければならなかった業務を一人でこなせるようになったため、フルスタックエンジニアという職業が誕生しました。また、IT業界の人手不足の影響もあり、一人あたりの業務範囲が拡大していることも、フルスタックエンジニアの生まれた背景として挙げられます。
フルスタックエンジニアを採用するメリット
フルスタックエンジニアを採用するメリットは?
ここでは、フルスタックエンジニアを採用するメリットについて詳しく紹介します。
開発効率の向上
フルスタックエンジニアを採用することで、開発遅延を防止できるため、開発スピードの向上が期待できます。
例えば、複数のエンジニアでプロジェクトを進める場合には、タスク管理が難しかったり、認識齟齬が生じたりしてしまい、思っていた以上に工数が多くかかるという恐れがあります。
しかし、フルスタックエンジニアを採用すれば、タスク管理やスケジュール管理などの手間が減らせるため、開発のスピードが上がります。
コストの削減
フルスタックエンジニアを採用すれば、雇用する人員を減らせるため、人件費などのコストを削減することができます。
フルスタックエンジニアには、異なる工程や領域で業務を任せられるため、プロジェクトに配属する人員を減らすことが可能です。
また、プロジェクトが修了した後に、修正する必要があったときや、追加の開発を依頼されるときがあったとしても、フルスタックエンジニアに業務を任せれば、コストの削減が期待できます。
このように、フルスタックエンジニアを採用すれば、開発スピードが上がり、コスト削減ができるため、ベンチャー企業やスタートアップ企業では重宝されます。
フルスタックエンジニアを目指すデメリット(注意点)
フルスタックエンジニアを目指すデメリットを知りたい!
ここでは、フルスタックエンジニアを目指すデメリット(注意点)について詳しく紹介します。
業務量が増加する
フルスタックエンジニアの業務の幅は広いため、要求されることが多く、業務量が増えます。
例えば、プログラマーの場合には、プログラミングに集中できますが、フルスタックエンジニアの場合には、アプリ開発とインフラ構築の両方を担当しなければならないこともあります。
そのため、業務量が多く、残業や休日出勤が生じてしまい、生産性が落ちてしまうという恐れがあります。
このように、フルスタックエンジニアの業務量は増える可能性があるため、タスク管理や勤怠管理などを徹底する必要があります。
器用貧乏になる可能性あり
IT技術は常に進化を遂げているため、新しい知識やスキルがすぐに廃れてしまう可能性もあります。
そのため、新しい知識をキャッチアップして、業務に取り入れる姿勢がITエンジニア全般に必要とされます。
そして、フルスタックエンジニアの場合には、業務範囲が広いため、アップデートする必要のある知識やスキルは他のエンジニアと比べて多い傾向にあります。
このように、フルスタックエンジニアを目指す場合には、器用貧乏にならないように、他のエンジニアよりも努力するという覚悟が必要です。
フルスタックエンジニアの需要・将来性
フルスタックエンジニアの需要や将来性は?
ここでは、フルスタックエンジニアの需要や将来性を詳しく紹介します。
フルスタックエンジニアの需要
フルスタックエンジニアは、複数の業務を一人で担当できるため、多くの企業で重宝されており、現在の需要は高いといえます。
また、ベンチャー系やスタートアップ系のIT企業は数多くあり、即戦力を求めているため、幅広い業務をこなせるフルスタックエンジニアのニーズは高いです。
ただし、年収は企業によってバラつきがあるため、転職する場合などは、自分にあった企業を選択することが大切といえます。
フルスタックエンジニアの将来性
フルスタックエンジニアを採用することで、コスト削減や生産性向上が期待できるため、将来性は期待できます。
今後は、これまで以上にIT人材が不足することが予想されるため、フルスタックエンジニアのような、一人で複数の業務をできる人材は重宝されるでしょう。
そして、クラウドサービスが普及してきたことにより、専門的なスキルがなくても、システムの設計・開発・保守・運用ができるようになってきています。
そのため、フルスタックエンジニアにとっては追い風になっており、今後もこの傾向は続いていくでしょう。
フルスタックエンジニアに必要な知識・スキル
フルスタックエンジニアを目指す場合に必要な知識やスキルを知りたい!
ここでは、フルスタックエンジニアに必要な知識やスキルを詳しく紹介します。
プログラミングスキル
フルスタックエンジニアは、アプリ開発に携わる機会もあるため、一定以上のプログラミングスキルを身に付ける必要があります。
ITエンジニアの中には、プロジェクトマネージャーなどのように、プログラミングを行わない業務を行う人もいます。ただし、現場の知識やスキルのある人は、管理能力も高い傾向にあります。
しかし、フルスタックエンジニアは、開発スキルを身に付ける必要があるため、プログラミングスキルは必須のスキルといえます。
ITインフラに関する知識・スキル
フルスタックエンジニアは、アプリ開発だけではなく、ITインフラに関する知識やスキルも求められます。
例えば、サーバーやネットワーク、ミドルウェアに関する知識やスキルが要求されます。
アプリとインフラの両方のスキルをもっている人材は希少価値が高いため、高度なスキルを身に付ければ、市場価値の高い人材になることが可能です。
クラウド技術に関する知識・スキル
コスト削減や開発効率向上のために、クラウドサービスを利用する企業は急激に増加しています。
そのため、フルスタックエンジニアを目指す場合には、クラウド技術に関する知識やスキルを身に付けることが大切です。
特に、「AWS」「Azure」「GCP」といったクラウドサービスは、市場シェアが大きく、知識やスキルがある程度あるだけで、市場価値の高い人材になることができます。
プロジェクトマネジメントのスキル
フルスタックエンジニアとしてキャリアアップしていくには、プロジェクトマネジメントのスキルが求められます。
システムの品質管理を行ったり、プロジェクトのタスク管理やスケジュール管理を行ったりできる人材は、どのような企業でも必要としています。
フルスタックエンジニアからプロジェクトマネージャーを目指す場合には、プロジェクトをマネジメントするスキルを身に付けるのがおすすめです。
器用貧乏にならないようなフルスタックエンジニアを目指そう!
フルスタックエンジニアとは、主にアプリ開発とインフラ構築の両方を担うエンジニアのことです。ただし、フルスタックエンジニアの定義は曖昧であり、二つ以上の専門技術を習得しているITエンジニアを指すこともあります。
フルスタックエンジニアは、コスト削減や生産性向上が期待できるため、市場価値が高く、ベンチャー企業やスタートアップ企業では、非常に重宝されます。
しかし、一つの専門スキルを極めるだけでも大変なのに、複数の専門スキルを身に付けるとなると、それなりの覚悟が必要です。場合によっては、器用貧乏なエンジニアになってしまう恐れがあります。
フルスタックエンジニアは、未経験からでもやる気があれば目指すことが可能です。何から手を付けたら良いかわからない方は、下記の記事を参考にしてみてください。
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